3月から4月にかけて咲くユキヤナギの育て方
3月から4月にかけてが花期のユキヤナギ、枝いっぱいに咲誇る白い花はとても綺麗で、育てやすいことから、街中のあちらこちらでその姿ををみつけることができます。
そんなユキヤナギの育て方や剪定方法などについてです。
ユキヤナギ
ユキヤナギは、バラ科シモツケ属の落葉低木で、別名コゴメバナと呼ばれています。
1mから2mほどの花木。花期は3月から4月にかけてで、葉がヤナギに似ており、垂れ下がった枝いっぱいに白い小花を咲かせ雪がかぶったように見えるさまから、その名前の由来になったようです。
ピンク色のベニバナユキヤナギや、葉が特徴的なオオゴンユキヤナギなど、さまざまな園芸品種があります。
育て方・うえつけ
植え付けは品種によって異なりますが、落葉期の11月から2月が適期です。
日当たりがよく、水はけや風の通りがよい、肥沃地が理想的ですが、耐寒性や耐暑性もある木ですから、庭植えする際はよほどの場所ではない限り大丈夫だと思います。
植えつける際には、バーク堆肥などで土壌改良して、湿度を保てる土壌に植えましょう。
もともとは山野に自生する木ですから、水やりなどは適度におこなうぐらいでも大丈夫です。
剪定
花の終った4月から5月ごろに剪定するのが適期です。
伸びた枝を切り戻して刈り込み、密生してこみいった枝や枯れ枝を抜きくことで、風通しがよくなり、害虫の発生の予防にもつながります。
大きくなりすぎた場合は、強剪定して仕立てなおすことも可能です。
自然樹形で仕立てるのが一般的ですが、生垣など四角く仕立てることもあります。
病害虫の防除
カイガラムシやウドン粉病が発生することがありますが、混んだ枝を透かしてやることで、風通しがよくなり、発生を抑えることができます。また、冬の間にマシン油乳剤を散布することも効果的です。
発生してしまったら、オルトランやスミチオンでなど、効果のある薬剤を散布して消毒をおこないます。
まとめ
切り花も楽しめて、株分けやさし木もでき、育てやすく増やしやすい花木で、庭木としてはもちろん、街路樹としても人気のあるユキヤナギ。
手入も簡単で、花も楽しめる、春に花咲く樹木です
3月から4月は、モクレンやコブシも咲き出す早春です
街路樹のモクレンやコブシのつぼみが大きくなり、もう間もなく満開を迎えようとしています。
庭木としては小ぶりのモクレンを良く見かけますが、街路樹には高木のコブシをが多いように感じます。
どちらもモクレン科モクレン属で非常に似ており、3月から4月が開花時期の樹木ですが、コブシのほうが早咲きで、モクレンのほうが遅いです。
モクレン
4月から5月が花期のモクレンの以外にも、白花で3月から4月に咲くハクモクレン、トウモクレンなど類似種があります。
園芸品種も多く、鮮やかに咲誇る春の花木として人気の樹木です。
コブシ
3月~4月に枝先に芳香のある白い花を咲かせる落葉高木。
ハクモクレンと見分けがつきにくいですが、コブシは開花の下に若葉がでているのが特徴です。
白以外にも、ピンクの花を咲かせるベニバナシデコブシなどもあります。
庭木以外でも、街路樹や公園などで見かけることも多い樹木です。
剪定方法
基本的にほっぱらかしでも樹形は整う庭木ですが、それでもお手入は必要です。
整姿剪定は1月から2月ごろに、樹形を乱す徒長枝や込み枝を切って形を整えます。その時に花芽がついている枝は、切らないようにしましょう。
樹高を抑えたい場合は、花後の5月まで強剪定をして大きく切り戻してあげると、樹形をコンパクトに維持できます。
まとめ
お庭のモクレンや、公園のコブシの開花によって春の訪れを感じるようになってきました。
そのうちソメイヨシノが咲きはじめ、春の花見シーズンに。
あったかくなると、庭木はもちろん雑草も伸びて、害虫も発生しはじめることから、僕ら植木屋もお手入シーズンになっていくので、職業柄、春には早くきて欲しいと思っている今日この頃です。
植木屋、造園家、庭師、呼び名は様々でどれが正しいのか
お庭を手入する僕は植木屋を名乗っていますが、さまざまな呼び名で呼ばれることが多い職種です。
そんな呼び名でも微妙なカテゴライズが存在するんですね。
それでは木を切る人はなんと呼ぶのがよいのか、個人的にまとめてみました。
植木屋
庭の木を切る人たちを世間一般に知られている名称が植木屋だと思います。
何の仕事してんの?と聞かれれば「植木屋です」と名乗ると、相手もすぐに理解できるのがこの名称。
ただ実際には、植木の販売だけをしている植木農家(木つくり屋)さんも植木屋ですから、ややこしいのはややこしい。
また植木以外にも庭工事などなんでもするのですが、切るのがメインっていうイメージですかね。
造園家
その名のとおり、庭を作ることがメインの職種で、公共は造園工としてカテゴライズされていることから、●●造園という屋号は多いですね。
大手の殆どは●●造園でその仕事内容は、木を切る剪定は街路樹や児童遊園、大手管理会社の下請けなどがメインで、どちらかというと大規模な仕事をしているイメージです。
また、その多くはユニックやユンボなどを所持しており、大きな仕事をガンガンしている感じ。
その中でも造園家というのは、庭園を設計する人で監督のような存在。個人的には現場より机上の人って感じかな。
その設計を現場で作る人たちのことを造園工と呼んでいます。いわゆる現場作業員です。
庭師
たまに名刺交換でこの肩書きを名乗っている職人と出会うことがありますが、正直何かわかりません。
いくつか作庭していて、庭管理がメインなのでしょうが、誰かからこう呼ばれる訳ではなく、自ら名乗っているだけなのでしょう。
僕の出会ったこの肩書きの人たちは、総じてプライドが高く樹木のエキスパートを自負しておりました。
個人的には植木職人の中でも、意識高い系の人たちが好んで使用する傾向にあるように感じます感じます。
(あくまでこの意見は私的なもので本当は違っているのかもしれません)
まとめ
実はどれも大差の無いことをやっているんですが、樹木管理の公共事業での正式名称は「造園工」。
世間一般的な呼び名は植木屋、庭師は意識高い系、ただそれだけです。
僕はお客様宅に伺って、ピンポーンとならして「植木屋です」と伝えるとすぐに理解される、わかってもらえることから、植木屋を名乗っています。
ピンポーン「庭師です」「はぁ?」となりかねませんしね。(決して馬鹿にしているわけではなく、周知度の違い)
まあ最近は木を切る便利屋もいますから、誇りを誇りをもって「植木屋です!」と名乗っている今日この頃です。
職人のつぶやきについて考えさせられた事
京都の西陣織りの職人さんのtwitterでの弟子募集のつぶやきが、物議を醸しています。
「伝統の技術を後世に伝えるため、弟子に技術を伝承させたい」、単純にはこう聞こえますが、なぜここまで大きな話題になったのでしょうか。
僕も植木職人として思うところがあり、ちょっと吐き出してみます。
ツールとしてのtwitterの使い方を誤った
SNSは誰でも簡単にインターネットが接続できる環境であれば、簡単に他人と繋がることのできるコミュニケーションツールだと思っています。
その中でもtwitterは敷居が低く、一般的なツール。それを使用すること自体は、このご時勢なので当然といえば当然。
そして今回、炎上したつぶやきはこちら。
西陣織を習いたい、将来的に仕事にしたい方を募集します。ただし最初の半年は給与的なものも出ませんし、その後の仕事を保証はできません。ただ、この西陣織の職人が減りゆくなか、将来的に技術を覚えておきたい方に無料で教授いたします。詳細はDMで聞いてください。@Rindouyaより引用
個人的には、この京都の職人さんの想いもわかります。同じ職人として植木屋をやっているものとして、職人不足の現状を憂いてのことだと思います
ただ世間一般にまで、この職人さんの想いや背景が伝わる訳も無く、表面だけを切り取って晒された結果として、「ブラックだ」「時代錯誤」などと炎上する騒ぎになったのだと僕は考えています考えています。
僕には職人になる前にサラリーマン経験もあるのですが、世間の学生さんやサラリーマンやOLの方で、職人をやっていた経験のある人は稀少なのではないえしょうか。
そんな人たちが多数を占めるこの世の中で、上記のようなつぶやきをしたとしても、評価されるものではないのは当然の結果だと思います。
「西陣織の職人がやっているtwitterだから、興味のある人にしか伝わらないであろう」は間違いだったということです。つぶやいた結果、不特定多数が閲覧→この考え、おかしくない?一般的ではなくない?→そうだそうだ!→炎上騒ぎ、が客観的に見た感想です。
僕個人の感想は、弟子を無給で募集するのはぜんぜん問題ないと思っていますが、要は西陣織りに興味があって技術を学びたい人向けに絞ったほうが良かったということ。
例えば、ホームページやDM、京都であれば中小職人向けの機関紙などへの求人など、方法はあったかと思います思います。
また、上記のメッセージでは詳細は問い合わせた人だけがわかる内容になっていて、額面では意図が伝わりにくかったのでしょう。
まとめ
昔はよく「京都の一流の植木屋なんか丁稚奉公やで」などと親方や他の職人さんから、言われていたことを思い出す今回の西陣織り職人さんのつぶやき。
本人にやる気があって、「無給でもなんでもいいからとにかく技術を」「この会社でしか働きたくない」などと意欲があれば、そこは問題ない話だと思います。だって働く側の合意だもん。
今回は拡散したところがほぼ関係のない人たちの元、教訓としてtwitterでは世間一般にネガティブなつぶやきはしない、ということを学びました。
個人的にはどんな事でも労務になりえて、「無給で働く」なんて無い話だと考えています。